職場復帰までに身につけたい3つのセルフケア

目次

1|職場復帰までに身につけたい3つのセルフケア

2|朝、決まった時間に起きて顔を洗う

3|「行動活性化」を使う

4|理解して終わらず「やってみる」こと

職場復帰までに身につけたい3つのセルフケア 

「うつ病とか適応障害で休職しているけど、まだ体がついてこなくて復職できそうにない…」

新年度になるとなぜか気持ちが焦ったり、復職のめどが立たない自分を責めてしまったり。

オンラインカウンセリングでよくお聞きするお悩みです。

そのような方におすすしているのが、「3つのセルフケア」です。どれも難しいものではなく、ごくありふれた日常に取り入れられるものですので、ぜひ試してみてくださいね。

朝、決まった時間に起きて顔を洗う

ありきたりに思えるかもしれませんが、 「同じ時間に起きる」という小さな習慣が、心身の回復に大きな意味を持ちます。

私たちの体には「体内時計(サーカディアンリズム)」と呼ばれるリズムが備わっていて、これは脳の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という部位が司令塔になっています。
この体内時計は、実は1日24.2〜24.5時間のリズムをもっていて、何もしないと毎日少しずつズレてしまうんです。

こで重要になるのが「朝の光」。
起きてすぐに光を浴びることで、体内時計がリセットされ、

  • 朝は交感神経が働き始めて目が覚めやすくなる
  • セロトニンが分泌され、気分が安定しやすくなる
  • 夜には自然とメラトニンが出て、眠りにつきやすくなる

といった自然なリズムが戻ってきます。

さらに、

  • 顔を洗う
  • カーテンを開ける
  • 着替える

といった「感覚刺激(触覚・視覚・温度など)」も、脳に「今は休息モードではなく活動の時間だよ」と教えてくれる“リズムのスイッチ”になります。

朝の一連の動作は、ささいなことでそんなに意味があると思えないかもしれませんが、目で見ることや何かに触れること、温度を感じることなど、いろんな感覚刺激が入ってくるので、このことが「今は休息ではなくて活動の時間!」と伝えるスイッチになります。

このように、毎朝同じ時間に起きて、光を浴びて体を動かすことは、放っているとズレてしまいやすい体内時計を整え、心と体を本来のリズムに戻すします。コンディションを整えるための土台になる、日常を取り戻すためのリハビリとしてとても大切なことだと言えます。

「行動活性化」を使う


行動活性化という言葉を始めて聞いた、という方がほとんどじゃないかと思うのですが、行動活性化というのは、認知行動療法という心理療法の中で言われているもので、気分が落ち込んでいるときに「何もできないから休む」のではなく、まず“小さな行動”をやってみることで、気分が少し上向きになり、それが次の行動につながっていくというアプローチです。


たとえば…
• ベランダに出て深呼吸をする
• ベッドのシーツをはがして洗濯をする
• スーパーまで買い物に行く


こんな「ほんのちょっとの動き」でも、活動している自分を実感できて、気分が良くなります。
「こんなこと、意味あるのかな?」と、思う方もいらっしゃるかもしれません。


実際に、私がこれまで関わってきたクライアントさんたちも、こうした“ちょっとした動き”をきっかけに、生活のリズムや気分が安定していく様子をたくさん見てきました。


私たちの心と体はつながっていて、体が整ってくると、心にも少しずつ“余裕”が戻ってくるんですよね。
まずは「今日、自分が動けたこと」をメモに残すのもおすすめです。


• 夕方、10分外を散歩した
• 布団を干せた
など、どんなに小さなことでも「行動した自分」を目に見える形にすることで、「あ、今日も一歩進めたな」と思える感覚が積み重なっていきます。

理解して終わらず「やってみる」こと

今回ご紹介したセルフケアは、

  • 朝同じ時間に起きて光を浴びる
  • 顔を洗って体を動かす
  • 小さな行動をして「できた」を実感する

という、どれも特別ではないけれど、科学的に根拠のある方法です。

「理解して終わり」ではなく、「やってみる」ことで初めて変化が生まれます。
最初は1つだけでもかまいません。今日できそうなことから、始めてみてくださいね。

この記事を書いた人

この記事を書いた人
辻本智美(公認心理師・作業療法士・精神保健福祉士)
精神科で20年以上勤務し、うつ病や適応障害などメンタル不調を抱える方の復職支援に携わってきました。
現在は、オンラインでのリワークプログラムやストレスケア講座を通じて、
「働く人が自分らしく回復し、安心して仕事に戻れる社会」を目指しています。

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