うつ病のリワーク(復職支援)プログラムについて話しました

作業療法士の養成校「関西学研医療福祉学院」で、うつ病で休職中の方に向けた復職支援プログラム(リワーク)について、講義をさせていただきました。

うつ病は再発しやすい疾患だと言われていて、せっかく仕事に復帰しても、再び強いストレスにさらされることで、休職を繰りかえしてしまうケースも少なくありません。そのため、近年では、復職に向けた「リワークプログラム」を利用することが推奨されていますので、具体的なプログラムの内容や運営の仕方を講義で伝えました。

リワークでは、病気の再発を防ぐために、自分のストレス要因を整理することや、ストレスに対処する練習をすることを学んでいただきます。休職中は生活リズムが乱れやすくなることもあるので、職場復帰に向けた生活リズムを整えることも、リワークプログラムの目的のひとつとなります。

休職期間は、心身のバランスを取りながら働き続けるための準備期間で、リワークは、そのためのスキルを学ぶプログラムなのです。

講義中、学生の皆さんには「うつ病で休職することのつらさ」について考えてもらいました。
まだ社会に出た経験がない学生も多く、正直なところ共感しづらい部分もあるかもしれません。
それでも、意見交換の時間になると、隣同士で真剣に話し合う姿が見られ、とても嬉しく感じました。

中には、社会人経験を経てから作業療法士を目指して入学された方もいらっしゃったようで、そうした経験が、きっと将来の支援にも活かされるだろうと感じました。

来週も引き続き、リワークに関する講義を担当させていただきます。
次回は、実際のケースをもとにした模擬事例を提示し、学生の皆さんに考えてもらう予定です。
現場での支援をイメージしながら、より実践的に学んでもらえる機会になればと思っています。

これから作業療法士を目指す学生の皆さんに、リワークという支援の形を知ってもらえることは、本当に貴重な機会です。
心の不調を抱えた人が、再び社会で活躍できるよう支援する──
その一端を担える作業療法士という職業の魅力を、少しでも感じてもらえたなら嬉しいです。

お声をかけてくださった先生方、そして熱心に聞いてくださった学生の皆さん、ありがとうございました。
来週もどうぞよろしくお願いします。

この記事を書いた人

この記事を書いた人
辻本智美(公認心理師・作業療法士・精神保健福祉士)
精神科で20年以上勤務し、うつ病や適応障害などメンタル不調を抱える方の復職支援に携わってきました。
現在は、オンラインでのリワークプログラムやストレスケア講座を通じて、
「働く人が自分らしく回復し、安心して仕事に戻れる社会」を目指しています。

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