仕事のストレスで眠れない夜に。今日からできる4つのやさしいセルフケア

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仕事のストレスで眠れないときのセルフケアとは

一日が終わって、ようやくベッドに入ったはずなのに…

頭の中ではまだ、職場での出来事がぐるぐると回っていることってありませんか。

「今日の会議、あんな言い方でよかったのかな」

「後輩、表情が固まっていた…私、言い過ぎたかもしれない」

そんな風に“ひとり反省会”が始まると、疲れていたはずなのに、だんだん目が冴えてきてしまいますよね。ベッドの中で何度も寝返りをうって、「早く寝なきゃ」という気持ちが余計に眠りを遠ざけてしまうことも。

こんな風に、心や頭が休まらないまま夜を迎えてしまうのは、誠実に仕事に取り組んでいる証拠でもあります。でも、この状態が続いてしまうと、昼間の仕事にも支障がでるだけでなく、メンタルの不調につながってしまう可能性もあります。

特に、一度休職をして職場復帰をされた方は、再発につながらないように、夜はぐっすり眠りたいですよね。今回は、そんな“眠れない夜”乗り越えるために、今日からできる4つのセルフケアをご紹介します。

眠れない夜と自律神経|仕事モードからの解放

夜に眠れなくなるのは、「ストレスに弱い」からではありません。実は、体がずっと「仕事モード」から抜け出せていないからかもしれないのです。

私たちの体には、「交感神経」と「副交感神経」という2つの自律神経があります。日中は活動をつかさどる交感神経が優位になり、夜になると自然に副交感神経へと切り替わって、心と体がリラックスして眠りにつくようになっています。

でも、仕事のストレスや心配事が頭から離れない状態では、この切り替えがうまくいかず、体は“戦闘モード”のまま…。呼吸は浅く、心拍数も上がって、血圧も少し高くなる―そんな状態だと、眠りにくくなるのは無理もありません。

さらに、睡眠不足はストレス耐性そのものを下げてしまうので、ますますストレスに敏感になって、眠れない夜が繰り返されるという悪循環に陥ってしまうのです。

夜にぐっすり眠るための、心と体をととのえる4つのセルフケア

そんな悪循環を断ち切るために役立つ、4つのやさしいセルフケアをご紹介します。全部完璧にやらないと!と思わなくて大丈夫ですので、どれか一つだけでも、取り入れられそうなものを試してみてくださいね。

スマホを寝る1時間前に手放す

ベッドにスマホを持ち込んで、SNSや動画を眺めていたら、いつの間にか深夜になっていた、そんな経験はありませんか?私も実は、ショート動画なんかを見ていると、知らないうちに目が冴えてしまって、寝つきにくくなることがしばしばあります…。

スマホなどの画面の強い光が目に入ると、脳に「まだ寝る時間じゃないよ」と誤ったメッセージを送ることに。

できれば、寝る1時間前にはスマホを遠ざけたいものです。でも、音楽を聴いたり音声のコンテンツを楽しむのは、リラックス効果が得られることもあると思いますので、そういうときは、画面を伏せて光が目に入らないようにするのが良いですね。

「ここからはお休みモード」と切り替えるタイミングをつくるのがおすすめです。

寝る前の安心ルーティン行動をつくる

毎晩決まった行動を繰り返すことで、脳は「この後寝るんだ」と自然に学習してくれます。たとえば、お白湯を飲む、アロマを焚く、ストレッチで体をほぐす―そんな“やさしい習慣”を積み重ねてみてくださいね。

毎日同じ流れをつくることで、気持ちがだんだん落ち着いていき、心と体が眠りの準備に入っていきます。

夜に考えた“ネガティブな考え”は、メモに書いて昼間に読み返す

夜はどうしても、ネガティブな思考が浮かびやすい時間です。
頭の中で反省会や未来の心配が始まってしまうとなかなか抜け出せません。


そんなときは、「夜に浮かんだことは、本当の気持ちじゃないかもしれない。明日の朝、元気なときに考えよう」と自分に言い聞かせることが大切です。

どうしてもネガティブな考えが頭から離れないときは、その考えをメモ書きしておいて、翌日の昼間に読み返すことがおすすめです。お昼休みに読み直すと、夜中に考えたことが、非現実的だったり、非合理的だったりすることが実感できます。

自然にふれる時間をつくる

日中に自然にふれることも、夜の睡眠の質を高める大切な習慣のひとつです。たとえば、昼休みに少しだけ外に出て、木々を眺めたり、帰宅途中に街路樹や公園の緑に目をやったり。週末は川沿いや海の近くを散歩するのも良いですね。

イギリスでは、自然にふれることそのものを、お薬のように処方する「Green and Social Prescriptions」という取り組みが進められています。自然はストレスホルモンを減らして、心拍数や血圧を整えたり、不安感や抑うつ症状の改善にも良い影響があると言われています。忙しい日々の中でも、ほんの数分、外の空気を吸って深呼吸するだけで、ストレスをやわらげることができそうですね。

最後に:眠れない夜こそ、自分をいたわりましょう

仕事のストレスで眠れないときにできる、セルフケアをご紹介しました。

ただ、毎晩ほとんど眠れない状態が続いている、と感じている場合は、早めに医療機関を受診することがおすすめです。1週間以上、まとまった睡眠がとれていないときは、受診した方が早く改善すると思われますのんで、眠れないことをがまんせずに、メンタルクリニックなどを受診してくださいね。

    この記事を書いた人

    この記事を書いた人
    辻本智美(公認心理師・作業療法士・精神保健福祉士)
    精神科で20年以上勤務し、うつ病や適応障害などメンタル不調を抱える方の復職支援に携わってきました。
    現在は、オンラインでのリワークプログラムやストレスケア講座を通じて、
    「働く人が自分らしく回復し、安心して仕事に戻れる社会」を目指しています。

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