奈良県作業療法学会でシンポジストとして登壇しました

2025年9月7日、奈良県作業療法学会でシンポジストとして登壇する機会をいただきました。テーマは「フリーランスという選択肢~組織に属さない専門職~」。国家資格を持つ作業療法士の多くは病院や施設に所属して働いていますが、私はフリーランスという形を選びました。その理由や、今後の取り組みについて下記のように報告させていただきました!

私がフリーランスとして挑戦しているのは、「リワーク」支援の新しい形を実現することです。うつ病や適応障害などで休職している方に向けて、職場復帰に必要な力を少しずつ取り戻せるようにサポートしたいと考えています。保険診療や福祉の枠組みの中では、うつ病や適応障害に限らず、さまざまな疾患を持つ方が同じリワークの場を利用することが多くあります。そのため、どうしても「うつ病や適応障害で休職している方」に特化した支援を十分に行うのが難しいという現実があると思いました。

そこで私は、うつ病や適応障害で休職している方に特化したリワークを実践しています。気分の落ち込みや体調の不安定さから「何もできない」と感じやすいときでも、日常生活の中で小さな行動を積み重ねていくことで、少しずつ気分や行動が整いやすくなります。そうしたプロセスを丁寧に支えることこそが、私が目指すリワークの形です。

さらに私が大切にしているのは、単に職場復帰を果たすだけでなく、自分で自分のストレスケアができるようになることです。その方法を日常生活で実践できるレベルで身につけていただくことで、再び同じように休職に追い込まれるのを防ぎ、安心して働き続けられるようになることを目指しています。

また、オンラインでのリワークは私が個人で実践するからこそできることです。これまで都市部に集中していたリワークプログラムを、地方に住む方や自宅療養中の方でも利用できるようにする。インターネットを活用することで、「どこに住んでいても、休職中に安心してリワークを受けられる環境」を実現できると考えています。

さらに、将来的には「うつや適応障害で休職してから」ではなく、症状が出る前からの予防的アプローチにも取り組みたいと思っています。職場や地域の中でストレスケアを広めることで、メンタル不調を未然に防ぎ、休職に至らない環境づくりを進めたい。それが私の描く次のステップです。

今回の奈良県作業療法学会での登壇は、自分の方向性を整理する良い機会になりました。これからもフリーランスの専門職として、「うつや適応障害で休職している方に寄り添い、リワークを通じて回復と予防を支える」というビジョンを実現していきたいと思います。

この記事を書いた人

この記事を書いた人
辻本智美(公認心理師・作業療法士・精神保健福祉士)
精神科で20年以上勤務し、うつ病や適応障害などメンタル不調を抱える方の復職支援に携わってきました。
現在は、オンラインでのリワークプログラムやストレスケア講座を通じて、
「働く人が自分らしく回復し、安心して仕事に戻れる社会」を目指しています。

目次